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2024年04月23日

民事裁判 石﨑徹元代議士の元秘書が語ったそれぞれの真実

2022年06月27日

「良心に従って真実を述べ、何事も隠さず…」。二人はそう宣誓してから尋問に答えた。6月15日、石﨑徹元衆院議員の元秘書が同元議員を民事で訴えた裁判で、原告、被告の本人尋問が行われた。真実を述べたはずの二人の証言はことごとく食い違う。まさに真相は「藪の中」だが、裁判は終結を迎えようとしている。

 

「認めた」報道先行

 

3年前の参院選は7月4日に公示され、同月21日に投開票が行われた。候補者は3選を目指した自民の塚田一郎、野党連合に担がれた無所属の打越さく良ら(現在、立憲民主に所属)。結果は今さら言うまでもなく、「忖度発言」で手負い状態の塚田が落選。自民は結党以来初となる参議院の新潟選挙区で議席ゼロという状態に陥った。

 

選挙期間の真っただ中だった7月17日、県内の政界関係者に激震が走った。「明日発売の『週刊新潮』が石﨑徹衆院議員(当時)の秘書に対するパワハラ、暴行に関する記事を掲載する」という一報が流れた。ほぼ同時に、記事の早刷りも伝えられた。そのタイトルが以下。「参院選の折も折 自民党『魔の3回生』がまたやった! 暴行被害の秘書が警察に駆け込んだ『石崎徹代議士』の履歴書」。

 

この大騒動から3年が経過した。元秘書が訴えた暴行被害について、一昨年10月、石﨑徹衆院議員(当時)は2件で略式起訴され、簡裁が「罰金20万円」の略式命令を下した。自民を離党した石﨑議員(同)は昨年10月の衆院選で1区から「維新の会」の公認で出馬。だが当選は果たせず現在に至っている。

 

一昨年11月、元秘書は石﨑議員(同)による暴言や暴行に対する損賠賠償や、未払いとなっている残業代金など、総額約1千万円の支払いを求める民事裁判を新潟地裁に起こした。第1回目の裁判があったのは昨年2月。数えて10回目となったのが今年6月15日だ。

 

この日は原告の元秘書、被告の石﨑元議員の双方にそれぞれの代理人弁護士が質問する本人尋問が行われた。その中身はともかく、裁判を伝えた新聞やテレビニュースの見出しは様々だった。

 

県内で最も有力な地元紙は、〈石崎徹元議員、元秘書への暴言一部認める〉のタイトルに、〈新潟地裁本人尋問、日常的な暴力は否定〉のサブタイトルを付けた。大手全国紙のタイトルは〈石崎氏、暴行2件謝罪 元秘書へ、『日常的』は否定〉、〈一部の暴行暴言 石
崎氏が認める〉など。新聞各紙では石﨑氏が元秘書に対する暴言、暴行を「認めた」とする見出しが目立った。

 

これらと対照的に、〈石崎氏、『事実ない』大半否定〉とした大手全国紙もある。一部の地元テレビ局は〈元秘書への暴行巡り真っ向対立『一度もなかった、事実とは違う』〉、〈石崎徹元衆院議員が法廷で『事実はない』と反論〉などと伝えた。元秘書と石﨑氏の主張が食い違うように、裁判の内容に関するメディアの受け止め方も様々だ。…続きは本誌で

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