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2021年07月24日

ついに発覚した糸魚川市・官製談合事件

2021年05月27日

糸魚川市が発注した建築工事の入札を巡り、「事前に予定価格を建設業者に漏らした」として、同市の係長が官製談合防止法違反の容疑で、市内にある猪又建設の社員2人が公契約関係競売入札妨害の容疑で5月19日、県警に逮捕された。発覚した事件から、事態の根深さがうかがわれる。

 

1月から入札で波乱

 

メディアが騒然とし始めたのは5月19日の夜だった。この日、県警本部が明らかにしたのが、糸魚川市が発注した建築工事の入札(別掲)をめぐる官製談合事件。その発表が行われている時間、既に同市の市役所や市内の建設会社に対する家宅捜索が始まっていたらしい。

 

事件となったのは昨年12月8日に開札された糸魚川市発注の建築工事、「新駅公衆トイレ整備工事」の入札だった。この入札で「事前に予定価格を建設会社に漏らした」とされたのが、同市都市政策課の係長(40代男性)。事前に教えられた価格をもとに落札したとされたのが、市内にある猪又建設の営業部長や係長だった。市の係長に対する容疑は官製談合防止法違反、建設会社の2人に対する容疑は公競売入札妨害。逮捕された3人は、既に身柄を新潟地検に移された。

 

この逮捕劇より前、糸魚川市の入札をめぐって騒動が勃発したのは今年1月のこと。「不正が行われるおそれがある」と、同市が入札の中止を発表したのは同月27日だった。中止となったのは「本庁舎トイレ電気設備改修工事」と「本庁舎トイレ改修工事」の2件。事件となった入札と同様、入札参加資格に一定の条件がある制限付き一般競争入札で行われる予定だった。

 

4月の改選を前に最後の議会となったのが糸魚川市議会の3月定例会。当然ながら、この定例会で1月に発生した入札中止について複数の市議が質問した。

 

当時の総務部長はこう答えるのみ。「第三者、それがどなたかは申し上げられませんが、そこから市に(不正が行われる恐れがあると)通報があって、現在市として警察に相談しているところです」(総務部長の答弁)

 

この答弁だが、実に解せなかった。仮に事前の談合情報が市に寄せられたとすれば、どこの自治体でもたいていは談合情報に関するマニュアルがあって、それに従って対応する。糸魚川市にも「談合情報対応事務処理要領」がある。だが議会で「市の要領に従い処理した」といった答弁は一切なかった。「不正」の中身が談合だったのかも判然とせず。…続きは本誌

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