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2021年05月9日

がん治療最前線 世界標準のがん化学療法と時間療法

2021年04月27日

がん治療は副作用との闘いでもあるという。従来型の画一的な抗がん剤投与では、最大限の抗腫瘍効果を狙いつつ副作用を抑え込むことはおぼつかない。宗岡克樹医師が率いる新津医療センター病院の腫瘍センターでは、チーム医療の体制を構築し、抗がん剤を使った世界標準の化学療法と時間薬物治療によるテーラーメイドの医療を実践することで、新たな地平を切り開きつつある。

 

腫瘍内科の県内パイオニア

 

新津医療センター病院(豊島宗厚院長)はJR新津駅から南西へ2㎞ほどの距離で、田園地帯の真ん中にある。前身は1960(昭和35)年に開設された小こ合あい保健センターで、現在ある病院が建設されたのは1983(同58)年。その後、増改築を重ね今日に至っている。

 

「新津医療センター」は内科、外科、整形外科、皮膚科、眼科、精神科、歯科など、20を超える診療科を擁する総合病院で、病床数は中規模病院に分類される174床。隣接して介護老人保健施設の「健進館」(入所定員100名)があり、秋葉区内に訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所などの併設施設がある。

 

この病院が掲げる診療科目の一つが「腫瘍内科」だ。がんに対する標準治療では、手術、放射線、抗がん剤が「三大治療法」とされている。このうち抗がん剤などの化学(薬物)療法を行うのが腫瘍内科。

 

一般に馴染みが薄い名称の診療科だが、ここ10年ほどの間に大学病院やがん診療連携拠点病院などで急速に整備が進んでいるという。新潟大学医歯学総合病院に腫瘍内科が開設されたのが2012(平成24)年。昨年4月には新潟市民病院にも新設された。このほか厚生連の長岡中央綜合病院にも腫瘍内科が開設されている。

 

かつてがん治療は外科切除が中心だった。だが抗がん剤の進歩は著しく、これまで治療手段に乏しかったがんにも有効な薬剤が出現するなどしている。抗がん剤による治療で生存期間が延びたり、手術が不可能な腫瘍を抗がん剤で縮小させ、その後に切除することもできるようになった。5大がん(肺がん、乳がん、胃がん、肝がん、大腸がん)を中心に、様々ながんに対する化学療法を、臓器横断的に行うのが腫瘍内科だ。

 

新津医療センター病院で腫瘍センター長を務めるのが宗岡克樹医師。がんの化学療法を中心とする同センターが発足したのは2013(平成25)年4月のこと。これより先、2004(同16)年に同医師が中心となり、がん化学療法を円滑に行うため、「CST」と呼ばれるチーム医療の体制を立ち上げた。

 

「C S T 」は「chemotherapysupport team」の略で、「chemotherapy」(ケモセラピー)は化学療法のこと。「世界標準の化学療法を患者さんに提供するために、少ないマンパワーで可能な対処法を試行錯誤し、チーム医療にたどり着いた」という(新津医療センター病院の広報誌『すこやか』平成30年秋号より)

 

「CST」のイメージは別掲のよう(図1)。

「(CSTの構成は)化学療法のレジメン(化学療法における抗がん剤の投与方法、治療計画)を決定し患者の治療方針にかかわる医師、患者および家族のニーズを拾い上げる看護部、薬剤指導を担当する薬剤部、化学療法の血液検査および5-FU(抗がん剤、5- フルオロウラシル)の血清濃度検体の保管を担当する検査科、化学療法時の食事指導をする栄養科、化学療法開始前に医療費の説明および補助制度について患者と家族に説明する医事課、5- FUの血清濃度を測定する新潟薬科大学」 (同)

 

大学病院やがん診療連携拠点病院に腫瘍内科が開設される前から、新津医療センター病院では宗岡医師を中心に世界標準の化学療法を提供すべく、チーム医療の体制が構築されていた。同病院はこの分野における県内での草分け的存在だ。…続きは本誌

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