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2024年04月26日

「22歳」が新潟から出ていく理由、新潟に戻らない現実

2017年06月27日

大学進学の受け皿になり得ていない本県私立大学。首都圏の魅力度に敵わない新潟県。そして、あえて県外に出よ。本県高校生は、なぜ首都圏の大学を目指す傾向が強いのか。これを教育現場に聞いた結果を先月号でリポートした。今号では、大学卒業時、進学で県外に出ていった学生が新潟に戻らない、または、新潟の大学生が新潟に留まらない理由として何が考えられるのかを聞いた。

 

「就職で県外へ」が圧倒的に多い若者

 

平成17年に243万人いた本県人口は今年4月現在、227万人と16万人も減少した。本県のみならず、地方圏は人口減という解決策を見出せない難敵と戦っている。

 

政府統計の人口推計によれば、平成26年の本県の自然減はマイナス0.49%で全国37位、社会減はマイナス0.25%で同34位、合計マイナス0.74%は同37位で北信越5県では最下位(いずれも対平成25年比)。低い出生率もさることながら、転出超過による社会減、とりわけ若年労働力人口の流出が深刻だ。

 

別表①と②の数値がそれを物語る。①は地方別・年齢別・理由別に分類した本県への人口転入数、②は同じく本県からの人口転出数だ。

 

新潟県への転入数は全体で2万6,524人。新潟県からの転出数は3万2,430人。その差は18.2ポイントの転出超過。

 

生産年齢人口のうち18~24歳の若年労働力人口に限った場合、転入は6,855人に対し転出は1万1,479人。その差は40.3ポイントの転出超過。

 

右世代の転出超過数が、どれほど本県人口の減少に大きく影響しているかがお分かりいただけただろう。

 

若い世代が新潟にいないことで、様々な問題点が指摘されている。出生率が改善しない、優秀な頭脳が新潟に戻ってこない、新潟に若い労働力が不足している、新潟が低迷している最たる要因だ…。

 

18歳、19歳は主に「学業」を理由に新潟から出ていく。大学・短大進学だ。20歳以上になると「職業」、つまり就職で新潟から出ていく。「学業」、「職業」とも転出数の約7割が関東に向かう。

 

先月号では、「なぜ本県高校生は新潟の大学に進学せず、首都圏の大学を目指すのか(又は、県内高等教育機関の環境がどうあれば流出を防げると思うか)」という本誌からの質問に対する、学校現場の教員からの回答を紹介した。

 

今月号では、「なぜ大学生は新潟県内の企業に就職しようとしないのか(又は、就職環境がどうあれば新潟で働こうという学生が増えると思うか)」という、本誌からの質問に対する現場教員の回答を紹介する。

 

改めて別表②の転出数をご覧いただきたい。若年労働力人口の転出数は1万1,479人。うち「職業」を理由とする者は7487人で65%を占めた。進学以上に就職時に新潟を離れる者が圧倒的に多いわけだ。

 

進学時に、「新潟にはない魅力」があるとして首都圏の大学へ、などとする回答が多くあった。それ以上に多くの若者が就職時に新潟を離れる要因は何か。高校生の心情、生の声を聞く教員の声は重いはず。行政、企業関係者はよく読んで対策を考えていただきたい。…続きは本誌に

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