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2019年05月25日

NSG傘下のイタリア軒が地元関係者と激しく対立

2019年04月26日

ホテルイタリア軒(新潟市)と地元住民との関係が何やらギクシャクしている。昭和51年にホテルイタリア軒の現在の建物が完成して以降、イタリア軒は地元の住民や飲食店らのテレビ電波の受信障害対策として共同受信施設を設置して対応してきたが、ここへ来て一部地域に関して受信障害対策の終了を通告。これを受けて地元関係者らが猛反発しているのだ。

 

イタリア軒が受信障害対策打ち切りを通告

 

新潟市西堀通7番町のホテルイタリア軒というと、多くの読者が単に古町や東堀の繁華街からほど近い昔ながらのホテルといった印象しかお持ちではないかもしれない。しかしその歴史を知ると見方が一変することだろう。

 

客室を備えた現在の建物が完成したのは昭和51年で、ホテルとしての歴史は東京都心の一流ホテルにおよぶべくもないが、ホテルの前身である明治7年創業のイタリアン・レストランは「日本最古の西洋料理店」と称される。

 

たとえばミートソース・パスタを国内で最初に提供したのはイタリア軒が最初といわれており、実際にホテル1階のリストランテ・マルコポーロでは「日本初のボロニア・ミートソース・パスタ」とうたっている。

 

レストランを創業したのはイタリア人のピエトロ・ミリオーレで、イタリア軒の1階ロビーに肖像写真が掲げられていることから、目にしたことのある読者も多いのではないか。

 

ピエトロ・ミリオーレはもともとフランス人が率いる曲馬団のコックとして来日したが、イタリア軒創業に至るその後の数奇な人生については割愛することとしたい。

 

したがって、ここからが本題だ。昭和51年にホテルイタリア軒の現在の建物が完成したことは前述したが、その建物は地上12階建て、地下3階となっている。

 

昭和51年当時はいうまでもなく現在近隣にある地上21 階建ての商業高層ビル「NEXT21」は存在せず、イタリア軒は周辺では最高層だった8階建ての小林百貨店(現新潟三越)を見下ろす存在だった。

ただし高層建築物が出来上がると周辺地域に悪影響を与えることがままある。その最たるものが電波障害だ。

 

新潟県のほぼ中央に位置する弥彦山にはテレビ放送局の送信所が設置されており、新潟市や燕市、長岡市など越後平野へのテレビ電波送信を広くカバーしている。

 

ところが地上12階建てのイタリア軒が完成したことにより、その足元の地域では弥彦山からの電波受信が遮られるという弊害が生じた。具体的には西堀や古町、東堀など広域にわたってテレビ電波の受信障害が発生したのだ。

 

地元住民が話す。

「テレビ電波が送信されてくる方角に背の高い建物が立ちはだかれば、低層住宅の屋根にあるアンテナが電波を受信できなくなるのは当たり前です。

 

受信障害が生じた責任はイタリア軒にあるわけですから、当時の自治会関係者とホテル側の話し合いにより、イタリア軒が共同受信アンテナを設置して各世帯にケーブルを通じて分配する対策が講じられました」 (地元の男性)

 

以来、受信障害エリアの住民や飲食店はイタリア軒が設置する共同受信施設を経由して電波を受信、テレビを視聴し続けてきたという。

 

1世帯当たり工事費5万円に加え月々数千円の負担

 

ホテルイタリア軒が完成した昭和51年以降、ホテル側は万全の受信障害対策を講じてきたことから、地元関係者と揉めるようなことはいっさいなかったという。しかし昨年12月、事態は一変する。

 

別の関係筋が話す。

「12月に入って、イタリア軒が突然、受信障害エリア内の一部地域の関係者に対して“2019年12月をもってテレビ共同受信を打ち切る”と通告してきたのです」 (地元住民)

 

イタリア軒が40年余りにわたって続けてきた受信障害対策を打ち切る理由は何なのか?

この関係筋が続ける。

「昨年、受信障害エリア内にある三業会館が取り壊されたのですが、イタリア軒の話によると、共同受信アンテナからケーブルを引いてこの三業会館を経由する形で各家庭に分配していたところ、建物の解体に伴いケーブルの移設先が確保できなくなったことから、共同受信を打ち切るというのです」 (同)

 

三業会館を経由してケーブルを引き込んでいるのは、西堀前通9番町と古町通9番町にある100軒ほどの建物だ。イタリア軒が通告どおり今年12月に受信障害対策を打ち切きると、それ以降この地区の人たちはどうすればテレビを視聴することができるのか?

 

この関係筋が続ける。

「イタリア軒は昨年12月に初めて地元説明会を開きましたが、その席上でホテル側の担当者は“弊社による受信障害対策はもう無理なので、各家庭がケーブルテレビ会社と契約して有料でテレビを視聴してください”というのです。

 

これに対して住民側が“仮にケーブルテレビに加入するとして、費用はどのくらいかかるのか?”と尋ねたところ、同席した電気工事会社の担当者いわく“工事費が約5万円、それに加えて月々数千円の料金がかかる”ということです」(同)

 

有料のケーブルテレビというと、地上波デジタル放送だけでなく、BSやCSなど多種多様なチャンネルを視聴することができるものが主流だが、ここでいうケーブルテレビとは地上波デジタル放送のみを視聴できるサービスを指す。

 

つまり当該地区の人たちは大多数の人たちが無料で受信している地デジを視聴するために、わざわざお金を払わなければならないというわけだ。

 

前出の関係筋が憤っていう。

「この地区は飲食店だけでなく、昔ながらの民家もあります。年金暮らしのお年寄りもお住まいになられているわけですが、こ
うした方々に“テレビを見るためにお金を払いなさい”というのはあまりにも酷ですよ」 (同)

 

しかもイタリア軒の説明によれば、三業会館を取り壊した現在も当該地区の人たちが支障なく地デジを視聴できているのは、ケーブルテレビ会社の好意により無償でケーブルの提供を受けているからで、今年12月以降は有料になるという。…続きは本誌に

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