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2019年05月25日

『訪問診療について』

2019年04月26日

プラーカ中村クリニック院長
中村 茂樹 氏

 

■医師データ
新潟大学医学部卒。平成2年、腹腔鏡下胆嚢摘出術を国内に先駆けて行う。以後、米、仏、フィンランドで内視鏡手術を研修。平成20年に県立加茂病院(副院長)を退職し、同年4月にプラーカ中村クリニックを開業。

 

 

人口の高齢化が社会問題化している。そんな中、寝たきりなどで通院が困難という高齢者にとって頼りになるのが、地域のクリニックなどによる『訪問診療』だ。そこで今回は、訪問診療について取り上げる。解説はプラーカ中村クリニックの中村茂樹院長にお願いした。

 

「訪問診療について解説する前に、ある日の当院の事例からお話しします。【102歳寝たきりで認知症の女性。数年前、右乳がんを発症したが、家族の希望で手術はせず在宅で家人が世話をしながら、当院から月2回の訪問診療を開始。ある日、『原因不明の強い腰と足の痛みを訴えておむつ交換もできない』と家人が来院。ただちに当院から地域の後方支援病院(みどり病院)に連絡を取り、福祉タクシーを呼んで、速やかに入院できた。家人から感謝の報告電話があった】

 

病気やがんの進行で定期的にクリニックや病院に通っている人は少なくありません。しかし病状が進んで、体が不自由、寝たきり、認知症などの理由で身の回りのことができなくなると、誰でも定期的な通院が困難になります。しかし、ただちに病院に入院(老人ホームに入所)を望むでしょうか。『住み慣れたわが家で暮らし続けたい』、『できればわが家の畳の上で死にたい』と誰でも願うのではないでしょうか。

 

このような通院困難な療養中の患者を対象に、医師が定期的に訪問して診療を行うことが訪問診療です。

 

同じ通院困難でも、往診は患者の要望でその都度、臨時に行うのに対し、訪問診療は医師が患者の求めに応じて計画書に基づき、定期的(月1- 2回)に患者の家を訪問する点が異なります。

 

高齢化で通院困難になり訪問診療を望む患者数は多いはずなのに、訪問診療をやる医師がまだ少ないことが社会問題になりつつあります。理由として、開業医のほとんどは一人で毎日の外来診療に忙殺され、訪問診療まで手が回らないことがあります。また、病院医師が院外で診療することは、現実的ではありません。…続きは本誌に

 

 

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