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2019年07月21日

長岡市談合事件 政官業一帯の根深い構図

2019年01月26日

長岡市には田中角栄元首相の後援会、「越山会」の伝統が未だ脈々と息づいている。「政官業一体」がそれで、こうした構図が「よそが羨む」とされる活力の源でもあった。今回発覚した官製談合事件だが、背景にはこうした伝統と、長岡市特有と思われる入札の手法があったようだ。だが事件の真相は未だ判然としない。

 

聖域に司直のメス

 

「これが越山会から続く長岡の伝統なんでしょうね。実感しました」

 

ある式典と、その後に開催された祝賀会の席上、ゼネコン関係者が、感慨深そうに漏らしたことがあった。このゼネコン関係者は、「越山会から続く長岡の伝統」に「よそが羨む活力がある」と感じたという。

 

冒頭の「越山会」とは、本県出身の故田中角栄元首相を支えた地元後援会のこと。余談だが、キーボードで「えつざんかい」と叩いても、すんなり「越山会」と出てこない。最近は「越山会」を知らない若いメディア関係者も珍しくないという。

 

「越山会から続く伝統、活力」が感じられたというのは、昨年秋、長岡市内で開催された土地区画整理組合の解散式典と、竣工を祝う祝賀会でのことだった。土地区画整理事業は地権者が集まって組合を結成し、自身らの土地を新しい街区につくり変えるもの。従来は農地だったところが市街化区域に編入され、開発可能となった。そして宅地や商業施設が整備され、医療機関などの誘致も実現した。

 

解散を迎えた土地区画整理組合の事業用地が市街化区域に編入されたのは平成25年3月。実はこの地区は同23年12月に市内6地区とともに市街化区域になるはずだった。だが道路付けなどの関係で、6地区より遅れてしまった。

 

6区地区が平成23年12月に編入された背景には、1月18日に秘書が逮捕された星野伊佐夫県議の〝政治力〟があったという。

 

「本来なら翌年の3月末で編入されるものを、前年の12月に前倒ししたのです。3月編入では夏場からの着工になる。12月編入なら、雪解けと同時に工事に取りかかれるんです。あの当時、地元の建設業者らは今よりも仕事がなかったから、大いに助かった」 (長岡市内の開発業者)

 

長岡市内、あるいはその近郊も含め、こうした地域開発などに対する星野県議の影響力は極めて大きいとされる。建設業の関連でも同様だ。

 

「県の工事で、小規模なものでも現場に技術者を張り付けておくことが義務付けられていました。技術者を拘束されると、ほかの工事ができず、特に小規模業者は困っていた。県議会で星野県議が複数の現場をかけもちできるようにならないかと提案したんです。そしたらすぐにかけもち可能になりました」(メディア関係者)

 

長岡市にとって長年の懸案だった信濃川に架かるフェニックス大橋だが、平成25年11月24日に開通式を迎えた。この時期、星野県議は支持者とのバス旅行で多忙なのだが、当時「開通式の日程は星野県議に合わせて設定された」と言われた。

 

連続11期当選の星野県議は越山会の青年部長を務めた人物。柏崎市選出の三富佳一県議とともに、かつての「越山会県議団」の生き残りだ。その星野県議のお膝元で行われていた土地区画整理事業が終了し、式典、祝賀会が開催された。

 

「祝賀会のテーブルを見て驚いたんです。同じテーブルで業者の真向かいに役所の幹部がいたり、県議や市議など、政治家の先生方の隣に業者がいたり。新潟あたりじゃ気を使って別々のテーブルです。政官業が一体となった感じは力強いのですが、互いの垣根が低過ぎる感じがしないでもない。でもこれが越山会から続く伝統なのでしょう」(ゼネコン関係者)

 

今回発覚した事件では、役所の設計価格が星野県議の秘書を介して業者側に伝えられていた。まさに越山会以来の伝統である政官業一体の構図、いわば聖域のような部分に司直が斬り込んだ格好だ。

 

暗号キーありの入札

 

事件の舞台となったのが、長岡市が発注した下水道工事の入札だった(別掲)。落札額は2件とも1千万円台の後半と、決して大きな工事の入札ではなかった。どちらも契約の下限で、これを下回ると無効になる最低制限価格と同額で落札された。…続きは本誌に

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