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2019年06月24日

県内民間給付型奨学金の社会貢献度

2018年12月27日

今や一般家庭で子弟の教育に奨学金は不可欠となっている。返還義務のある貸与と、その義務のない給付に大別される奨学金。このうち後者のタイプについて、県内ではむしろ民間が先行しているようだ。福田育英会(新潟市)、丸山育英会(十日町市)、古泉育英財団(新潟市)を中心に、その中身を紹介する。

 

奨学金返還訴訟急増

 

数年前からの話だが、奨学金の返還をめぐる裁判が急増しているという。実際、新潟地裁の入り口にある裁判日程を見ても、「奨学金返還訴訟」は特に目新しいものではなくなっている。原告は独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)で、被告には、いかにも今どきらしい名であることが多い。

 

訴訟の内容は様々らしく、意図的に返済を怠った例もあるというし、奨学金を借りたまではよかったが、大学を卒業後に就職が出来ず、返還が滞り訴訟を提起されるようなケースもあるらしい。

 

今や一般の家庭にとって子弟の教育に奨学金は不可欠だ。例えば東京の私大に子どもを通わせるような場合、一般に百数十万円と言われる授業料や生活費を難なく出すことができる家庭はまれだろう。

 

一部では好景気とされるが、県内の経済はさほど活況と言える状況ではない。奨学金は将来返還しなければならない貸与型と、返還の義務がない給付型に大別される。もちろん後者が有り難いわけだが、給付資格を得るにはハードルも高く、そもそも給付型の制度を持つ奨学金の数が少ない。

 

新潟県では給付型の奨学金を実施している。額は下が国公立大学で自宅通学の場合で月額2万円、上は私立大学で自宅外通学で月額4万円だ。学習成績のほか、①住民税所得割非課税世帯、②生活保護受給世帯、③家計急変世帯(保護者の死亡、失職、病気等により、大学進学年度に①か②に該当することが見込まれる世帯)といった条件がある。

 

詳細は県教育庁(高等学校教育課)の『奨学金ガイド』に掲載がある。県高等学校教育課のウェブサイトによれば、既に来年度進学生の一次募集、二次募集は終了したとある。

 

新潟市では市議会12月定例会で五十嵐完二市議(東区、共産党)が「新潟市版給付型奨学金制度の創設」を提案した。だが中原八一市長の答弁は以下のようだった。

 

「給付型奨学金は多額の財政負担を伴うこと、(新潟市が実施している)返還特別免除制度の実績が増加していること、県の給付型奨学金が募集定員を下回っていることなどを考慮すると、現時点では新たな制度を創設することは難しいと考えております」

 

福田育英会の創設は昭和37(1962)年。福田組(新潟市中央区)の創立60周年を機に設立された。

 

「当時、新潟の大学進学率は低かったですから、そうした状況を鑑みて、福田組としてできる社会貢献ということで福田育英会が設立されました」(公益財団法人福田育英会事務局)

 

設立当初から福田育英会は奨学金に特化した財団法人だ(奨学金制度の概略は別掲)。

 

「設立当初は奨学金の貸与と学生寮の二本柱でスタートしました。学生寮は埼玉県蕨市内にありましたが、40人ほど収容できる施設でした。やはり学生の生活スタイルが変化してきまして、平成2年に廃止し、現在は奨学金の貸与と給付だけになっています」 (同)

 

給付型の奨学金制度を導入したのは比較的新しい。…続きは本誌に

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