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2018年12月10日

十日町商議所1千万円使い込みの「イマドキ」な事情

2018年07月27日

犯罪は世相を映す鏡だという。着服や使い込みといえば、ちょっと前までパチンコや競馬といったギャンブル、あるいは女が背景にあると相場が決まっていた。十日町商工会議所で発覚した使い込み事件だが、1千万円という額もさることながら、「スマホゲームの課金が引き金になった」という。まさに今時らしい事情だった。

 

着服額1千40万円余

 

十日町商工会議所の使い込み事件だが、一般に伝えられたのは6月29日のこと。前日の発表を受け、地元紙が報道した。当然ながらこれよりも先、口コミで事件の内容が伝えられていた。新聞報道の数日前、市内の会社社長はこう言っていた。

 

「会議所の職員が1千万円を使い込んだ。とんでもない額だ。全額弁済したというから刑事告訴はしないという。金を返しさえすればいいってことか。責任を取って会頭は報酬1カ月分を返納するというが、会頭職で食っているわけじゃないから痛くも痒くもないだろう。場合によっちゃ、きちんと公表しないままで済ませる可能性もある」

 

会議所による使い込み事件の発表だが、別に記者会見を開いたわけではない。6月28日の通常議員総会で報告したもの。こうした総会について、十日町商議所では「大手地元紙や、十日町エリアの地元3紙にご案内しております」とし、門外漢の雑誌メディアが入り込むことをやんわりと拒絶した。

 

十日町商議所が「当会議所職員による不正経理事案の報告について」として明らかにした内容は以下のよう。30代の男性主事が着服した金額は1千40万7千649円。会議所の特別会計や、経理を受託していた5団体からの会計から着服したという。既に全額弁済されていて、当該職員は懲戒解雇、そのほか事務局長を含む職員4人がこの件でけん責処分となった。今後、会計業務の保管・管理体制を整備し、職員教育や組織の改善に取り組むという。

 

前出の処分とは別に、十日町商議所の丸山秀二会頭は報酬1カ月分を、新旧の専務理事が月額報酬の10分の1を自主返納することが明らかにされた。同商議所の通常議員総会では役職員一同が頭を下げ、事件の発生を謝罪したという。

 

ゲームの課金に注ぎこむ

 

使い込みが発覚したのは6月6日に行われた定時監査でのことだったという。会計を担当していたこの男性職員が銀行口座の残高証明書や通帳などを提出しなかった。不正な会計処理を行っていたのは平成26年9月から。今年まで発覚しなかったのは、会計データや残高証明などを改ざんしていたからだ。

 

この種の事件が発覚すると、はんで押したような話になるのだが、商議所関係者によれば「(当該職員は)無断欠勤も遅刻もなく、業務に支障をきたすようなことはなかった」という。前述のように、今回の件で商議所側は「刑事告訴は行わない」としている。「まず親族がすぐに全額弁済したこと。本人も深く反省し、事情聴取にも応じていますし、商工会議所としては最も重い懲戒解雇としたものです。会議所が会計を受託している団体も被害を受けたわけですが、会議所と同様に刑事告訴はしないという結論になっています」 (十日町商議所関係者)

 

10年ほど前、JA十日町の女性職員による使い込みが発覚したことがある。顧客の定期貯金を無断で解約するなどしたもので、 被害額は1千5百万円余とされた。当時、JA側は「全額弁済されたものの、刑事告訴する方針」と伝えられた。

 

「農協の場合は金額が大きく、告訴など法的措置を講じて、より弁済を確実なものにするという方針だったのでは」 (同)

 

使い込みが発覚した元男性職員は30代と若く、子どももまだ幼い。「告訴せず」は、その更生に配慮した対応だったのかもしれない。…続きは本誌に

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