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2018年01月19日

怠慢職員を徹底弁護 県庁の”守護神”と化した米山知事

2017年12月27日

知り合いの弁護士が記者にこう言った。「米山隆一知事はやっぱり弁護士だね。あれは知事の答弁ではなく、弁護士の弁護そのものだよ」。そう言われて平成29年12月定例会の一般質問の録画中継を視聴した。するとある議員が県の隠蔽体質や指導責任について問題視しているにもかかわらず、米山知事は弁護士としての才覚をいかんなく発揮してクロをシロに変えるがごとく「問題ない」と強弁し、県当局の責任問題をウヤムヤにしてしまったのだ。ある経済人がいう。「あれでは知事は職員の言いなり。〝県庁の守護神〞になったようなものだよ」―。

 

定期検査の未実施により不良品

 

県は「越後杉ブランド認証材」という住宅建築用の県産スギの普及拡大に努めている。越後杉はよく乾燥しているため寸法の狂いが少なく、住宅づくりに最適だという。

 

とはいえ県産スギなら何でもかんでも「越後杉ブランド」の認証を与えるのではなく、県が定めた品質・性能基準を満たす県産材にのみこの称号を与える。

 

具体的には県木材組合連合会(以下、県木連)が認定した「越後杉ブランド認証材生産工場」で生産された材料がその対象となる。

 

しかし―。県が品質・性能に優れているとPRし続けてきた越後杉に重大な疑惑が浮上する。その疑惑とは、少なくとも平成23年以降、「越後杉ブランド認証材の品質に問題がある」との指摘がさまざまな関係機関でなされていたというものだ。

 

県が外部の調査機関に委託して上がってきた報告書に「品質に問題あり」と記されていたほか、県の林業担当課長らが集まる会議の席上でも「乾燥が基準を満たしていない材が見受けられる」などの発言がなされていたことが確認されたという。

 

県議会の平成29年12月定例会の一般質問でこれらの事実を淡々と指摘したのが重川隆廣議員(無所属・新潟市西蒲区選挙区選出)だ。重川議員は一般質問で以下のように話した。

 

「私は10 年以上前から林政課に対し、一部に問題製品の流通があると指摘をしてきました。しかし改善はなかなか進まないため昨年(平成28年)5月に県木連会長に就きました」(平成29年12月定例会での重川議員の一般質問より)

 

驚いたことに一般質問をしている重川議員本人が県木連の会長だという。しかしよくよく考えれば同議員は重川材木店(新潟市西蒲区)の社長であり、林業から製材加工、住宅建築までを一貫して手掛けるその道のプロなのだ。

 

同議員の一般質問によれば、越後杉ブランド認定工場の認証機関である県木連が定める運営要領には「県木連は3年に1回の更新時検査と年1回以上の定期検査を実施しなければならない」と規定されているにもかかわらず、実際に行っていたのは更新時検査のみで平成26年度まで定期検査についてはまったく行っていなかったのだという。

 

とはいえ重川議員は一般質問の中で平成28年5月に自身が会長に、県林政課OBが専務理事に就任して以降は「役職員の努力によって全数の定期検査が実施されている」とした。

 

つまり過去にまったく行われていなかった定期検査が、現在は正常に実施されているというわけだ。

 

定期検査実施は84工場中、9工場

 

平成29年12月定例会での重川議員の一般質問によれば、同議員は平成28年2月定例会の一般質問で当時の泉田裕彦知事に対して、「品質が劣る越後杉ブランド認証材が流通しており、そのために工務店などから理解が得られていないのではないか」といった趣旨の質問をしたという。

 

これに対して泉田前知事は「他県産と同レベルの品質が確保されており問題はない」と答弁。そして泉田前知事は「品質に問題なし」とする根拠として以下の2点を挙げたのだった。

 

・新潟県木材組合連合会が認定工場に対して定期的に検査を行っている

・業者に対する聞き取り調査の結果、問題がなかった

 

平成29年12月定例会での一般質問で重川議員はこう話した。「泉田前知事の答弁に私は違和感を覚えたものですから、独自調査を開始したのです」(平成29年12月定例会での重川議員の一般質問より)

 

重川議員が調査に乗り出すと、次々と驚くべき事実が明らかとなる。公文書公開請求などを通じて過去の文書を取り寄せると、平成25年度に開かれた地域振興局の林業担当課長が出席をする連携林業振興課長会議で「乾燥が基準を満たしていない材が見受けられる」との指摘がなされていたことを確認したという。…続きは本誌に

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