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2017年10月24日

金融庁筋のリークで発火した第四・北越統合報道

2017年03月27日

p26県内地銀トップの第四銀行(新潟市中央区・並木富士雄頭取)と第2位の北越銀行(長岡市・荒城哲頭取)が経営統合に向けて最終調整に入ったとの報道は県民に大きな衝撃を与えた。水面下で進められていたはずの交渉がなぜこの時期に表面化したのか、経営統合が利用者や取引企業にどのような変化をもたらすのかなど疑問や不安は尽きない。マスコミ報道のウラ側や両行のお家事情をリポートする。

 

週刊ダイヤモンドのスクープ

 

第四銀行と北越銀行の経営統合を最初に報じたのは週刊ダイヤモンド編集部がインターネットを通じて配信している「ダイヤモンド・オンライン」だった。配信したのは3月16日の午後3時半過ぎ。

 

以下の書き出しは新潟県民にとって衝撃的であり、週刊ダイヤモンドによる文句なしのスクープといえよう。

 

〈新潟県の地方銀行で最大手の第四銀行(新潟市)と二番手の北越銀行(長岡市)が経営統合する方向で最終調整に入ったことが、16日分かった。

 

4月にも基本合意を交わした上で、2018年春をめどに統合を目指す。統合の形態は共同持ち株会社を設立して、2行が傘下にぶら下がる方式を検討している。将来的な2行の合併も視野に入れる。〉

 

このニュースがネット配信されるや否や、新聞やテレビなど県内マスコミ各社が騒然となったのはいうまでもない。NHK・民放ともに地元ローカル局は夕方のニュース枠で両行の経営統合について一斉に報道。

 

ただし、いかんせん独自取材するだけの時間がなかったことから、各局の報道はどれも週刊ダイヤモンドの配信ニュースをなぞった程度のものだった。

 

在京の関係筋がスクープの舞台裏を明かす。

 

「ダイヤモンドではかねてより第四銀行と北越銀行が経営統合に向けた話し合いを進めているとのネタを掴んでおり、関係者へのウラ取りを進めていました。

 

とはいえ、このネタを察知していたのはダイヤモンドだけではありませんでした。ダイヤモンドにやや遅れて日本経済新聞も取材に着手しており、ダイヤモンドも日経がネタを掴んでいることを知りながら慎重に詰めを行っていたのです。

 

そうしたところダイヤモンド編集部に〝日経がいよいよ書いてくるぞ〟という情報がもたらされたことから、詳細は3月25日発売号に掲載することとし、ひとまずネット配信でスクープを打って日経を出し抜いたというわけです」(週刊ダイヤモンド編集部に近い関係者)

 

ダイヤモンドの報道を受けて、慌てた日経がすぐさま後追いしたのはいうまでもない。

 

週刊ダイヤモンドの配信ニュースでは、両行を経営統合へと突き動かした要因として、地元における大幅な人口減少、日銀のマイナス金利政策導入を背景とする超低金利環境の2つを挙げている。

 

今後、人口減少により貸出金の大幅な減少が確実な上に、現時点でも超低金利政策のもとで貸出金金利から預金金利を差し引いた「預貸金利ざや」の減少が深刻であるにもかかわらず、これにさらに拍車がかかるのは必至だ。

 

両行にとって経営統合が苦渋の決断だったのはいうまでもない。

 

金融庁筋がリークの可能性大

 

今回の第四銀と北越銀の経営統合計画だが、恥ずかしながら本誌も含めて地元マスコミはまったくノーマークだった。

 

東京を拠点に取材活動を展開する週刊ダイヤモンドがなぜ新潟の金融ネタをキャッチし、華々しくスクープを放つことができたのか?

 

地元のマスコミ関係者が推測する。

 

「それは今回のニュースが新潟発ではなく、霞が関発だからでしょうね。具体的には金融庁関係者がマスコミにリークしたとしか思えません」(経済担当記者)

 

金融庁筋がマスコミにリークしたとすれば、狙いは何なのか?

 

「新潟県内においては地銀の第四、北越、第二地銀の大光銀行(長岡市)のほか、9信用金庫、11信用組合がしのぎを削っており、全国的に見ても深刻なオーバーバンキング(銀行過剰)に陥っています。

 

したがって人口減少が進み、低金利で利ざやが稼げなくなるにつれ同じ商圏の金融機関が共倒れになってしまう懸念があるわけです。

 

このため金融庁は新潟県内にある地域金融機関の再編を加速させるべく、第四と北越の経営統合をマスコミにリークし、既成事実化しようとの狙いがあったものと思われます」(同)

 

銀行同士の経営統合ないし合併に関する歴史的な報道といえば、今から半世紀近く前の昭和46年3月に日本経済新聞が放った「第一銀行と日本勧業銀行が合併」の世紀の大スクープがある。…続きは本誌に

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