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2024年03月29日

「ワンランク上の満足度」が得られる医療最前線

2017年02月27日


日々さまざまなストレスにさらされている現代人の多くが疲れを感じているといわれる。疲れを解消する方法はスポーツや趣味に打ち込むなど人それぞれだが、それでも疲れが残る人には医療が有効な手立てとなる場合もある。日頃の疲れをスッキリ解消してワンランク上の満足度が得られる最新医療をリポートする

 

日中の眠気を解消して思考能力や集中力も高まる「いびき治療」

 

たかがいびきと思って軽く考えてはいけない。いびきは重症化すると睡眠時無呼吸症候群(SAS)となり、日中に突如強い眠気に襲われるなどQOL(生活の質)を大きく低下させる原因となりかねない。いびきの原因や診断、治療法などをリポートする。

 

解消されない疲れの原因は睡眠時の無呼吸かも

 

現代人の中でも現役世代のビジネスパーソンが感じる疲れはとりわけ強いといわれる。日々の残業、上司や部下との人間関係に伴うストレス、子供の教育や就職の悩み、将来に対する漠然とした不安など要因はさまざまだ。

 

しかしながら自分では気付いていないだけで、実は思ってもみなかった他の要因が疲れを引き起こしている場合もある。その要因のひとつが睡眠時のいびきだ。

 

多かれ少なかれ、いびきをかく人はたくさんいるが、これが重症化すると睡眠時無呼吸症候群というれっきとした病気として扱われ、適切な治療が必要となる。

 

睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に何度も呼吸が止まった状態(無呼吸)や止まり続ける状態(低呼吸)が繰り返される病気で、その結果、睡眠が妨げられて日中の眠気を引き起こし、自動車の運転などに重大な支障を来すこととなる(※以下、低呼吸も含めて無呼吸という)。

 

また睡眠中に低酸素血症を繰り返すことにより、高血圧や心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの合併症を引き起こすリスクが格段に高まるという。

 

いびき外来を通じて多くの患者を診ている、こばやし内科クリニック(新潟市中央区)の移行。精密検査で治療が必要と認められると、具体的な治療法を検討することになる。

 

睡眠時無呼吸症候群において現在主流となっている治療は、CPAP(シ ーパップ)と呼ばれる装置を使った経鼻的持続陽圧呼吸療法だ。CPAPは鼻に装着したマスクから空気を送り込むことによってある一定の圧力を気道にかけ、無呼吸や低呼吸を解消する装置。当然ながら患者はマスクを装着して就寝する。

 

小林院長が説明する。

 

p74

「睡眠時無呼吸症候群と診断された患者さんの9割方がCPAPによる治療を選択されます。CPAPを装着すると睡眠の質が飛躍的に向上し、それまでのように日中に強い眠気に襲われることがなくなり、思考能力や集中力が高まるといわれています。患者さんにとってはまさしく人生が変わったような満足感をもたらすようです」(小林院長)

 

鼻にマスクを装着するなどと聞くと大層な装置を想像する読者もいるかもしれないが、CPAPは重さが1~2㌔程度でカバンに入るくらいの大きさのため、出張先や旅行先などへの持ち運びも容易だ。…続きは本誌に

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