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2017年05月26日

『前立腺がん』

2017年01月27日

p157かめだ泌尿器科クリニック

新井 啓 院長

 

■医師データ

新井啓。新潟大学医学部卒。新潟大学医学部泌尿器科入局。同大腎泌尿器病態学分野助教、同病院講師を経て平成27年5月、かめだ泌尿器科クリニックを開院。医学博士。

 

男性特有のがんとして真っ先に挙げられる前立腺がん。今回は前立腺がんの治療法などを取り上げる。解説は、かめだ泌尿器科クリニックの新井啓院長にお願いした。

 

「前立腺は膀胱の下に位置し尿道をぐるりと取り巻く臓器です。前立腺は加齢とともに大きくなり、排尿困難や残尿感、頻尿などを引き起こします(前立腺肥大症)。この前立腺に悪性細胞が発生するのが前立腺が
んです。50歳を過ぎたころから発症が見られ、60代、70代がピークです。

 

原因はよくわかっていませんが、欧米人に多いことから、高タンパク食や高脂肪食といった食生活の欧米化が影響していると考えられています。また、遺伝子の関与も指摘されており、父親や兄弟が前立腺がんの場合は注意が必要です。

 

症状ですが、よほど進行していない限り特有の自覚症状がありません。前立腺肥大症を合併する場合が多く、がんが進行しても排尿困難や残尿感、頻尿など前立腺肥大症と同じような症状を出すので、症状だけ
では前立腺がんの診断はできません。

 

そこで早期発見には血液検査が有効です。前立腺がん腫瘍マーカー、PSA(前立腺特異抗原)の測定でがんの有無がある程度わかります。PSAの基準値は4ng/ml以下とされていますが、60歳以下の若い方の場合、基準値を低く設定する場合もあります。PSAは前立腺がんでしか上昇しませんが(ほかのがんでは上昇しない)、年齢や前立腺肥大症の程度、前立腺炎、会陰部への物理的な刺激(自転車等)でも上昇することはあります。がんであるかの見分け方は専門医でも判断に迷うことがありますので、検診などでPSAの異常を指摘されたら泌尿器科専門医を受診しましょう。

 

前立腺がんの確定診断には前立腺の針生検が必要です。肛門もしくは会陰部より前立腺に向けて針を刺し、ごく少量の前立腺組織を採取します。その組織を顕微鏡で検査し、がんの有無を診断します。また、直腸診や腹部エコー、経直腸エコー、前立腺部MRIも有力な診断補助となります。

 

前立腺がんと診断されたら次に病期分類(がんの進行度・広がり方)の検査をします。がんの悪性度や進行度、広がり方で治療方針が決定されることになります。…続きは本誌に

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