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2017年11月25日

『男性の更年期障害とうつ病の関係』

2015年12月28日

p49奈良心療クリニック院長

奈良 康 氏

■医師データ

奈良康(ならやすし)。新潟大学医学部卒。新潟大学医学部精神医学教室入局。川室記念病院、佐潟荘などを経て平成26年4月に奈良心療クリニックを開院。

 

 

 

男性の更年期障害とうつ病は、時として似たような症状が現れる。はたして、この2つの病気にはどのような関係があるのか。解説は奈良心療クリニックの奈良康院長にお願いした。

 

「最近はメディアなどにより、男性の更年期障害も知られるようになってきました。主な症状として、疲れやすくなる、何事に対しても意欲の低下、不安感、食欲の低下、性欲の減退などが挙げられます。

 

これらの症状は、うつ病の症状と似ていると思われた方はいらっしゃいませんか。まさにその通りで、男性の更年期障害とうつ病は、一見似通った症状が現れます。

 

ただし、これら2つの病気は、表面上は似ていますが全くの別物です。

 

まず、原因が違います。男性の更年期障害は、加齢などにより男性ホルモンの一種、テストステロンが減少することで起こります。一方、うつ病の原因は諸説あるものの、神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、等々)の分泌バランスが崩れていることが多いです。病気のメカニズムが違う以上、当然、治療方法も異なります。男性更年期障害の人に抗うつ薬を投与しても効果はなく、ホルモンの補充療法などが施行されます。うつ病の場合は抗うつ薬を主体とした薬物療法が施行されます。

 

したがって、中高年の男性で先に述べたような症状が現れた場合、うつ病と単純に決めつけず、男性更年期障害の可能性を考慮する必要があります。とくに、うつ病と診断されて治療を受けているのになかなか改善しない場合は要注意です。

 

この診断は、想像されているほどには簡単ではありません。血液検査において男性ホルモンの値が著しく減少していれば診断は容易なのですが、ホルモン値が正常範囲内である男性の更年期障害も多いからです。

 

鑑別診断には医師の問診が重要ですが、男性は弱みをみせたがらない傾向があります。ましてや、働き盛りで社会的にそれなりの立場にいる人は、症状を自覚していても主治医や家族には強がったりすることがあります。そうなると、いくら問診を重ねても正しい診断がつきにくくなります。

 

それでも、元気がない、うつっぽい症状がいつまでも続くのはしんどいものです。独りで抱え込んで悩まず、いったんギブアップして洗いざらい弱い部分を話した方が、正しい診断、適切な治療につながります。治療には家族の協力も不可欠ですから、診療(とくに初診時)の際には家族が同席することが望ましいといえます。…続きは本誌にて

 

 

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