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2017年05月26日

『喉頭がん』

2015年10月27日

p89isi川名クリニック院長
川名 正博 氏

 

■医師データ
川名正博。聖マリアンナ医科大学卒。新潟大学医学部耳鼻咽喉科学教室入局。同大学耳鼻咽喉科医局長、同助教授、同大学院頭頸部外科助教授などを経て平成15年に開業。医学博士。

 

 

進行すると声を失ったり、命を落とす危険もある喉頭がん。とにかく早期発見が大事だ。今回は喉頭がんを取り上げる。解説は川名クリニックの川名正博院長にお願いした。

「喉頭がんとは、のどの奥にできる悪性腫瘍です。60─70歳代の男性が圧倒的に多く、女性は1割以下です。最近、音楽プロデューサーのつんくさんが、この病気で声を失ったニュースが大々的に報じられたので、ご存知の方も多いでしょう。手術によって声を失うケースも多く、最悪の場合死に至る危険な病気です。

 

発症原因の第一のリスクは、何といってもたばこです。たばことがんの因果関係を統計的にまとめたデータにブリンクマン指数というものがあり、1日の喫煙本数×喫煙年数で表します。例えば、1日20本のたばこを20歳で吸いはじめた人が、30歳になった場合は20本×10年でブリンクマン指数は200ということになります。喉頭がんの場合は、これが600を超えると危険域に入ったと言われます。お酒もリスクファクターのひとつですが、なんといってもたばこのリスクが大きいです。

 

初期症状は、声のかすれです。ほかには、血痰やのどの違和感にも注意して下さい。声のかすれはかぜでも起こりますが、普通2~3週間で治ります。ですから、3週間以上経っても声のかすれが治らないようなら、早めに耳鼻咽喉科を受診して必要な検査を受けてください。

 

検査で一番重要なことはのどの奥をよく診ることです。鼻咽喉ファイバースコープという内視鏡を鼻から挿入し、喉頭を詳しく観察します。疑わしい病変が認められたら組織を採取し、病理検査でがんかどうかを判定します。このファイバースコープは胃カメラに比べて径が細いので、苦しくありません。安心して受けてください。

 

治療ですが、放射線治療と手術療法が主なものです。進行度(ステージ)や発生部位によって化学療法を組み合わせることもあります。喉頭がんは、発生部位とステージによって標準的な治療がほぼ決まっています。ですから、治療に当たってはがん治療を専門とする病院でよく説明を受け、それぞれの病気の発生部位や進行度に応じた適切な治療を受けて下さい。

 

治療成績ですが、ステージ1であれば、9割以上で声を残しての完治が望めます。進行度が上がるにつれて手術範囲は拡大し、声帯を失う可能性も増してきます。会話は最大のコミュニケーション手段です。声を失うと、仕事はおろか日常生活にも多大な支障を来します。さらに、首の真ん中に呼吸する穴(永久気管孔)ができることから、多くの不都合を抱えたまま一生を過ごすことになってしまいます。…続きは本誌にて

 

 

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