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2019年09月20日

地方創生裏テーマ 地方創生で始まった「交付金」の陣取り合戦

2015年04月28日

与党が前回の解散総選挙前に掲げた”地方創生”という言葉は、耳障りがいい。しかし裏を返せば、財政危機の余波を受けた地方予算のリストラだ。地方交付税は選択と集中が加速し、自治体間競争は助長される。これからは”デキない”自治体は”ありつけない”時代になる。

 

デフォルトも非現実ではない

 

今年1月に発行され、一部で話題が沸騰した経済本がある。「日本経済『最後の選択』│健全化と成長の両立はなるか」(伊藤隆敏著・日本経済新聞社)という一冊である。著者は第一次安倍内閣で経済財政諮問委員を務めた人物。専門は国際金融などで、財政は門外だというが、政策現場に長年たずさわってきた研究者の論説は説得力がある。日本経済において今最もリスクを伴うのは政府債務であることを豊富なデータを通じて説明し、また財政健全化に繋げる政策も提言している。

 

p24

この本のあとがきには、日本の財政が辿るであろう最悪のシナリオが書いてある。日本の国債残高は10年頃から、ペースを上げて増加している→アベノミクスでインフレターゲットが達成され、成長率も上がれば国債金利が上昇する→アベノミクス成功時の経済均衡状態(インフレ率2%、成長率2%)のもとでは10年物金利は現在より2%ポイント上がる。

 

するとどうなるか。2014年度予算の年間利払い費10兆円が、30兆円にまで上がる。年間20兆円の金利負担増がのしかかる。この額は、なんと消費税8%ポイント分に匹敵する。

 

利払い費の拡大が起きるまでに手を打たなければ、国債残高の圧縮は極めて不可能に近くなる。

 

現在も日本の国債信用度は極めて低く、日本の財政指標はユーロの債務危機に陥った国々(ギリシャ、スペインなど)に比べても悪い。債務・GDP比率が、それらの国々より圧倒的に高く、硬直化が進んでいる。

 

となると、国債金利が上昇するまでのタイムラグの間に、健全化にシフトしなければ、やがて債務不履行(デフォルト)も有り得る状況なのだ。

 

つまり成長戦略を続けていかなければ税収は増えないが、一方で国債残高は削減していかなければ、金利が上がった時に大変なことになる。こうしてみると消費税増税の2年先伸ばしというのは、非常に大きな選択だったと言える。

 

さて、わが国には財政と並んで(あるいは直結する問題として)もう一つ、喫緊に取り組まなければ手遅れになる問題がある。他でもない人口問題である。

 

昨年、民間のシンクタンク「日本創生会議」(増田寛也座長)が報告した”2040年には日本の市区町村の半数以上が消滅する”という衝撃の内容。通称”増田リポート”が政府を震え上がらせた。

 

単なる民間ベースの提言ではなく、実態として霞が関が裏打ちした内容であった。即刻、政府系の有識者会議「選択する未来委員会」が”50年後に人口1億人を維持する長期計画の策定”を提言。

 

それまで安倍首相や官邸は、アベノミクスによる株価維持策にばかり興味を示し、地方への発信力が弱かった。…続きは本誌にて

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