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2017年05月26日

『iPS細胞について』

2013年11月27日

斎藤忠雄氏斎藤内科クリニック院長

斎藤 忠雄 氏

 

■医師データ

昭和57年、新潟大学医学部卒業。平成2年、新潟大学大学院医学研究科卒業。同年、米国アラバマ大バーミンハム校微生物学教室客員助教授。平成6年、新潟市高志にて開業。

 

 

 

京都大学の山中伸弥教授がノーベル生理学医学賞を受賞したことでより注目が高まったiPS細胞。今回は、このiPS細胞を取り上げる。解説は斎藤内科クリニックの斎藤忠雄院長にお願いした。

 

「2012年のノーベル生理学医学賞は、京都大学の山中伸弥教授とケンブリッジ大学のジョン・B・ガードン教授に贈られました。ガードン教授は1962年にカエル体細胞に核を移植することでクローン技術を確立した方です。山中教授は、このガードン教授のクローン技術を応用してiPS細胞を樹立したという経緯がありますから、両名のノーベル賞受賞となったわけです。

 

はじめにiPS細胞とはどんなものかを簡単にお話しします。人間は精子と卵子が受精すると生命の根源になる多能性幹細胞が生まれます。それが外胚葉、中胚葉、内胚葉などに枝分かれし、それがさらに皮膚や脳、臓器、筋肉、体腔などを形成し、人の体ができていきます。

 

iPS細胞の技術とは、人の皮膚や血液から採取した細胞を山中4遺伝子と呼ばれるものの掛け合わせ、受精卵5日目の細胞(iPS)をつくり、それに刺激を与えて、先述した生命の根源になる多能性幹細胞を人工的につくります。多能性幹細胞ができれば、そこから胃や肝臓、肺、心臓などの臓器や筋肉などをつくることが理論上、可能になります。

 

さて、このiPS細胞の技術ですが、どんな可能性があるのでしょう。簡単にお話ししますと、ロボットは壊れた部分や部品を交換できます。それと同じで、人間も悪くなった部分を取り替えられるようになる、ということです。例えば、病気で胃が悪くなると現行では内服や手術などの治療を施しますよね。それを新しい正常な胃と取り替えるというのが、iPS細胞の研究の進歩によって実現する可能性があるんです。

 

では、臓器移植と何が違うのかということをお話しします。臓器移植は第三者から臓器の提供を受けます。他人の臓器ですから、拒否反応などに細心の注意を払います。これに対してiPS細胞の技術を応用すると、自分の細胞をもとにつくった臓器ということですから、自分自身の臓器ということになり、拒否反応などを起こすことは考えにくくなります。…続きは本誌にて

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